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八戸・法霊林遺跡から方頭大刀出土 建物跡からの出土は全国初

出土した方頭大刀(青森県埋蔵文化財調査センター提供)

出土した方頭大刀(青森県埋蔵文化財調査センター提供)

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 青森県埋蔵文化財調査センターが5月12日から10月9日までに発掘調査を行った八戸市田面木の法霊林(ほうりょうばやし)遺跡のかまどの排煙部から、方頭大刀(ほうとうたち)が出土した。

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 遺跡は7世紀末から8世紀のもので、竪穴式建物跡9棟が出土。大刀は鉄製で全長65センチメートル、約8メートル四方の最も大きい住居後から見つかった。かまどの排煙部に差し込むように入れられていて、少し上部が曲がっているが、ほぼ完全な形で見つかった。

 大刀が発掘、発見される場合、副葬品として持ち主と一緒に埋葬されるため、多くは墓から出土されるが、建物跡から見つかるのは珍しく全国でも初。建物跡は焼失していて、居住者が建物から立ち去る際、かまどを封じる等の儀礼的な意味合いがあったと考えられるという。

 青森県埋蔵文化財調査センター調査第2グループマネジャーの斎藤岳(たかし)さんは「今回の発掘調査は、道路工事に伴う調査で。大刀が出た住居は奈良時代のものと思われる。当時、東北地方では鉄は鋳造されていないことから、この刀は北関東、あるいは都から運ばれてきたものと考えられる。発掘調査をした近隣では、有力な人間だったのではないか」と話す。

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