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八戸・清水寺観音堂でかやぶき屋根のふき替え 40年ぶりに

清水寺観音堂

清水寺観音堂

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 国の重要文化財指定されている「清水寺(せいすいじ)観音堂」(八戸市是川)で、かやぶき屋根のふき替えが行われている。

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 清水寺観音堂は、鎌倉時代に中国から伝わった建築様式「禅宗様」の建築物で、屋外に建つ木造建築として青森県最古。1980(昭和55)年1月に国の重要文化財に指定された。修繕の記録が記された棟札が16枚残っていて、1581(天正9)年に建立されたと考えられている。

 江戸時代から昭和初期まで何度か改造工事が行われ、1928(昭和3)年にはかやぶき屋根を鉄板ぶきに変更していた。国の重要文化財指定を受けて、1981(昭和56)年~1983(昭和58)年にかけて大規模な解体修理工事を実施。度重なる改造工事で付け加えられていた扉や畳などを撤去し、屋根をかやぶきに変更して、建立当時の姿を取り戻した。

 今回のふき替えは約40年ぶり。老朽化が進み、雨漏りなども見られた。文化庁の「国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金」の交付を受けて実施する。これまで使われていたカヤを一部再利用するほか、宮城県石巻市のかや場で新たに調達したカヤも使用する。

 清水寺観音堂は青森県南や岩手県北に点在する糠部(ぬかのぶ)三十三札所の二番札所。八戸市文化財審議員で「奥州南部観音霊場巡り 糠部三十三札所(デーリー東北新聞社)」の著者滝尻善英さんによると、かやぶき職人やかや場の不足の影響でトタン屋根に切り替わる観音堂も多く、清水寺観音堂は糠部三十三札所や三八地域の中で唯一のかやぶき屋根の観音堂になったという。

 八戸市教育委員会社会教育課の柏井容子学芸員によると、「かやぶきが主流だった時代は地域にかや場があり、地域住民が協力して民家や観音堂の屋根のふき替えをしていたが、今は途絶えてしまった」、滝尻さんは「観音堂は祈りの場であり、地域の心のよりどころ。また、旅人が観音堂に一夜の宿を借りることもあった。祈りや屋根のふき替えは、結(ゆい)と言って、地域のコミュニケーションや助け合いにもつながっていた」とそれぞれ話す。

 清水寺住職の野沢秀明さんは「良いことやつらいこと、折々にお参りし、心穏やかにする場所。これからも火災などに注意しながら維持していきたい。自然豊かな場所に散歩がてらに来て、ゆっくりとお参りしていただければうれしい」と話す。

 事業は昨年4月から始まっていて、今年4月~5月には腐朽した木材の交換を行い、6月~9月にかけて屋根をふき替える。完了は10月31日の予定。期間中の参拝は可能だが、工事完了までは足場で覆われ、工事機材などがあるため注意が必要。

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