
ラッパーのアフロさんと詩人の黒川隆介さんによる「トークショー&売り歩きツアー in 八戸」が6月11日、八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)で開かれた。
主催は八戸で映画の上映会やトークイベントを企画する市民プロジェクト団体「inter-mission(インターミッション)」。昨年3月、アフロさんが主演した映画「さよならほやマン」の上映会を八戸で開いた縁で企画した。アフロさんと黒川さんの著書の出版を記念し、トークや音楽ライブ、朗読を通し、2人の表現の世界を観客と共有した。
活動休止中の音楽バンド「MOROHA(モロハ)」のMCとして知られるアフロさんは12日、自身の体験談をつづったエッエッセー集「東京失格」を出版。黒川さんも同日、詩集「生まれ変わるのが死んでからでは遅すぎる」を出版した。
旧知の仲という2人は当日、八戸ブックセンター(六日町)職員の熊澤直子さんの進行でトークを展開。八戸の印象やトークショー直前まで食べ歩きを楽しんだエピソードを披露した。それぞれの本の編集を手がけた実業之日本社(東京都)の村嶋章紀さんもオンラインで出演し、本が出版されるまでの秘話を披露した。
トークの後は、2人がつづった詩の朗読や、リレー形式で詩を創作する連詩を披露。初めて八戸を訪れた黒川さんが鮮魚店で購入し、楽屋で食べた生ウニの味を絶賛している様子を歌った即興詩をアフロさんが披露すると、黒川さんが苦笑。その様子に場内から笑い声が漏れた。最後にアフロさんが楽曲を披露し、詰めかけた市民や遠方からのファンを沸かせた。八戸の音楽フェス「八食サマーフリーライブ」にもたびたび出演しているというアフロさんは「八戸はMOROHA時代にライブで何度も訪れている大好きな街で、この本の出版記念イベントができてうれしい」と話した。
黒川さんは「本の装丁にはデザイナーもとことんこだわり、コスト的に大変なことになっている。売れるたび赤字になるので、再販は望めない。買えるうちに買ってもらえれば」と話す。