
「青森レインボーパレード in はちのへ」が6月28日、八戸市中心街で行われる。
青森県内の有志が年に一度開いているパレードで、今年で12回目を迎える。青森市から八戸市に場所を移して初めて開催する。一人一人の性や生き方の違いを尊重することを呼びかけ、性的少数者の居場所づくりにつなげようと、虹色のフラッグを掲げた参加者が音楽に合わせて中心街を歩く。
実行委員会は中心メンバーの一人だった故・宇佐美翔子さんが遺(のこ)した「ふるさとを帰れる街にしたい」のメッセージを掲げ、活動を続けてきた。初めて行った2014(平成26)年は3人の仲間でスタートしたが、現在は約20人の委員で活動し、青森市で行った昨年は約220人の市民が参加した。メンバーの岡田実穂さんは「初めのうちは『青森でおかしなことをするな』と言われたこともあった。近年は街の人たちが旗を振ったり、ポスターを貼ったりして、当たり前のことのように受け入れてくれるようになった」と話す。
6月は性的少数者の人権を呼びかける「プライド・マンス」と位置付けた活動が世界各地で行われる。岡田さんによると、現在でも同性愛者が死刑になる国がある一方で、LGBTQコミュニティーが音楽やパフォーマンスアートと結びつき、文化として根付いている地域も少なくないという。
岡田さんは宇佐美さんが生前によく話していたという青森ねぶた祭りの話を念頭に「青森の人は夏が好き。性別や年齢に関係なく参加できる『ねぶた』のように、歩くことを楽しんでもらえたら」と話す。「一緒に歩くことにためらいを感じている人のことを思うことを大切にしている。仲間がいると思ってもらえたら」とも。
12時から受け付けを行い、13時から八戸市庁前でセレモニーを行った後、14時から約1時間かけて中心街を歩く。