
小学6年のドラマー・中村光希君がバンドリーダーを務めるジャズトリオの「バースデーライブ」が8月30日、ジャズの館南郷(八戸市南郷中野)で開かれた。
4歳からドラムを始めた中村君。現在はジャズピアニストのデビッド・マシューズさんが市民とジャズ演奏に取り組む「八戸ジャズ楽団」の一員として活動する。9月5日で12歳を迎えることを記念した今回のライブは、ピアノにマシューズさん、ベースに同楽団代表の久保沢清吾さんを迎え、自身で選んだ7曲を披露。119人の市民が大人顔負けの演奏に聞き入った。
日頃から使っているというライドシンバルとスネアドラムを持ち込み気合十分の中村君は、テンポの速い「ミスティ」「コットンテール」で迫力のソロ演奏を披露し、聴衆を引きつけた。ゆったりとした「ステラ・バイ・スターライト」ではスティックをブラシに持ち替え、マシューズさんのソロ演奏に応えるようにしてスネアドラムやライドシンバルをこすり、演奏にアクセントを加えた。司会も務め、来場した市民はあどけない語りに耳を傾けた。
保育園時代の友人や担任教師、八戸ジャズ楽団のメンバーがサプライズでステージに上がり、抱えきれないほどのプレゼントを贈る場面も。一人一人が「お誕生日おめでとう」「ドラム頑張ってね」などの言葉をかけると、会場は和気あいあいとした空気に包まれた。
アンコールでは最も好きな曲だという「キャラバン」を披露。ジャズとラテンの複雑なリズムを交互に繰り返すライドシンバルや約1分30秒にわたるソロ演奏に、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
「MCも自分が担当したので緊張したが、それを乗り越えて演奏した」と中村君。久保沢さんは「12歳でトリオ編成で7曲演奏できたとは素晴らしい。この経験が将来につながれば」と話す。マシューズさんは「光希君は、良いスイングとテクニックを持っている」と目を細めた。
ライブの様子は、コミュニティー放送局「BeFM」(八戸市番町)が制作するマシューズさんのラジオ番組「ON AIR GIG(オン・エア・ギグ)」で、前編、後編に分けて放送する。放送日は、前編=9月4日、後編=11日。放送時間は21時~21時30分。再放送は、前編=7日、後編=14日。放送時間は22時~22時30分。ラジオ放送配信サービス「リスラジ」でも同時配信する。