「ひろしま被爆ピアノ平和講演会」が10月21日、八戸市立大館中学校(八戸市新井田)で開かれた。
1945(昭和20)年の広島・長崎への原爆投下によって被爆したピアノを管理する調律師で被爆2世の矢川光則さんが同校を訪れ、平和の尊さを訴えた。矢川さんは2001(平成13)年からトラックを運転して全国を巡り、被爆ピアノを使った演奏会や講演会を開いている。
参加した1、2年生の184人の生徒は、展示された2台の被爆ピアノを興味深そうに見つめ、床に敷かれた原爆に関する資料に見入った。矢川さんの講演後、生徒を代表して2年の田島空玲亜(くれあ)さんが坂本龍一さん作曲「戦場のメリークリスマス」を演奏し、生徒たちは被爆ピアノの透き通った音色に聴き入った。
演奏を終えた田島さんは「講演を聴いた後の演奏で、感極まって演奏が止まりそうになった。今でも紛争が続く中、こうした戦争の記憶をつなぐものが世界中に伝わって、一つでも戦争がなくなればうれしい」と話した。
堀合貴校長は「被爆ピアノを通し、生徒たちに原爆の恐ろしさや平和への願い、平和の尊さを感じてほしい。このような活動が『平和の種まき』として広がれば」と期待を寄せる。