八戸市民による文章と3人の写真家がコラボレーションしたアートプロジェクト「八戸レビュウ」と、その記録写真集「八戸レビュウ」(美術出版社)が2012年度のグッドデザイン賞(日本デザイン振興会)を受賞した。
2011年に開館した八戸ポータルミュージアムはっち(同市三日町)のオープニング特別事業として開催されたプロジェクト「八戸レビュウ」から生まれ、昨年7月に刊行された同書。88人の八戸市民が地域の人を対象として文章を書き、梅佳代さん、浅田政志さん、津藤秀雄さんの3人の写真家が肖像写真を撮影した。アートディレクションは森本千恵さんが担当し、制作に関わった市民は延べ400人に上る。
気鋭の写真家が撮影した写真と一般市民が書いた文章が紡ぎ出すストーリーが新鮮な魅力を生み出し、横浜トリエンナーレで企画展も開かれ、都内の書店のベストセラーランキング美術部門でランクインするなど、地元八戸以外でも話題となっていた。
今回の同賞受賞で、審査員は「丹念な取材と撮影と文章が相乗的に組み合わされ地域の魅力があらためて浮かび上がった。デザインも臨場感にあふれている」と評価。写真集をデザインした「goen°」と八戸市の連名での受賞となった。
同プロジェクトの企画に携わった「はっち」の渡辺曜平さんは「直接に制作に関わった八戸市民や写真家、アーティストの皆さんはもちろん、応援してくれる市民の方々がいたからできたこと。本当にうれしく名誉なこと」と話す。「これをきっかけに、さらに多くの人に書籍を見てもらえるとうれしい」とも。