国の重要無形民俗文化財にも指定されている八戸地方の冬を代表する祭り「八戸えんぶり」が2月17日、開幕した。
えんぶりは800年の歴史があるともいわれている郷土芸能。期間中は八戸市庁前市民広場、八戸市公会堂、更上閣など市内各所で公演が行われるほか、えんぶり組が地域を巡って舞を披露する門付(かどづ)けなどが行われる。
初日の17日は7時から長者山新羅神社(八戸市長者1)で奉納が行われ、八戸市や南部町、階上町、おいらせ町などから参加した33組のえんぶり組が参拝した後、中心街では一斉摺(ず)りが行われた。
八戸えんぶりでは、最も早く長者山新羅神社で奉納したえんぶり組に「一番札」が贈られ、一番札を獲得した組は一斉摺りで多くの観光客や市民でにぎわう三日町で舞を披露することができる。
今年の一番札は小中野えんぶり組で、一番札を獲得するために主要メンバーが2月13日から長者山に登り初日までの4日間を過ごした。同えんぶり組は明治時代から活動してきたが、1955(昭和30)年には活動が途絶えていた。2000年に活動を再開し今年で20年目を迎えた。
太夫の激しい摺りや大勢の子ども達が舞う恵比寿舞が人気で、八戸えんぶり期間中は地元の常現寺(小中野6)でもえんぶり公演を行うなど、精力的に活動してきた。今年は活動20年の節目を迎えたことを記念して一番札を目指していた。
上位3組は次の通り、一番札=小中野えんぶり組、二番札=妻神(さいのかみ)えんぶり組、三番札=日計えんぶり組。
小中野えんぶり組代表親方の橋本隆幸さんは「20年の節目なので、一番札を取ることができて良かった。期間中はけがの無いように楽しく取り組みたい」と話す。
今月20日まで。