八戸市を拠点に東北地方で文具や書籍の販売を手掛ける「金入」(八戸市卸センター2)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売の落ち込んだ工芸品や食品などを扱うインターネット通販サイトを4月20日、立ち上げた。
八戸三社大祭、青森ねぶた祭、仙台七夕まつりなどの祭りや百貨店での催事などの延期、中止、規模縮小が相次ぎ、新型コロナウイルス感染拡大の地域経済への影響が広がりを見せている。土産品や食品など地域に根差した商品を展開するメーカーは個人消費の冷え込みに苦慮し、同社には商品の販売先を失ったというメーカーや、東北観光を中止したという常連客からの声が届くようになったという。
こうした状況を受け、同社では、仙台市で運営する店舗「東北スタンダードマーケット」(仙台市青葉区)の通販サイトに、インターネット上の催事「#tohokuru(トホクル)」を立ち上げた。祭りや催事の中止・延期で販売先を失った商品を集め、「未曾有(みぞう)のウイルスに東北観光の機会を奪われた消費者に、東北の魅力を届ける」という。
催事名の「#tohokuru(トホクル)」は、「東北が来る」を短くしたもの。同社では「購入した商品をハッシュタグ「#tohokuru」を付けて投稿し、インターネット上で東北を支えてほしい」としている。
4月15日現在で70社が参加、約150種の商品を取り扱う予定。青森県内からは弘前市の工芸品「ブナコ」や、黒石市「ケサノフウケイ」が販売する嶽きみスープ、八戸市「坂下商店」が販売する南部せんべいセット、青森市「裂織CHIKA(ちか)」の裂織キーリングやくるみバッヂなどが並ぶ。このほか、東北六県ごとにページを設け、それぞれの県の工芸品や食品を分かりやすく紹介している。
同社社長の金入健雄さんは「新型コロナウイルスの影響で、工芸品、土産品、食品の需要が大きく落ち込んでいる。多くの人々に東北を感じてもらえるような新しい取り組み。ぜひサイトを見てほしい」と、呼びかける。
販売は予約制。4月27日~5月10日の期間で予約を受け付ける。商品の発送は5月15日以降順次行う。今後も定期的に開催していく予定。