鉄道や都会の夜景、八戸の風景などをボールペンだけで描く「ボールペン画」を手掛ける石橋暢之(のぶゆき)さんの作品展が5月18日~24日、さくら野百貨店八戸店美術工芸サロン(八戸市三日町)で開かれた。
石橋さんは八戸市在住の76歳。ポールペンのみで濃淡を表現した作品が特徴で、国展などで多数の受賞歴を持つ。
今回の作品展には、東京都庁から見た西新宿、東京駅の全景などの都会の夜景や、上空にうみねこが舞う蕪島や八戸えんぶりの子供たちなどの八戸市内の風景、JR釜石線を運行する蒸気機関車「SL銀河」など27点の作品が並んだ。
遠野市内で描いたというSL銀河の作品は、駅を出発する蒸気機関車が勢いよく蒸気を上げながら進み始める様子をボールペンだけで表現。蒸気の濃淡や、駅舎に立って蒸気機関車を見送る駅員、向こうの山々の木々までが丁寧に描かれている。
石橋さんがボールペン画を描き始めたのは12年ほど前に友人に蒸気機関車の絵を贈った事がきっかけ。写真を贈ろうと考えたが、ピントが合っていなかったので絵を描くことにしたという。
大きな作品は完成まで1カ月ほど要することも。普段からカメラを持ち歩き、撮影した写真を見ながら作品を描く。太さの異なる4種類のボールペンを巧みに使い分け、濃淡や線の表現を変える。使用するボールペンは、コンビニや文房具店で売っている一般的なもの。自身の作品について「まだ満足のいく作品は描けていない」といい、今後も鉄道を中心に描いていくという。「自分は鉄道マニア。蒸気機関車を描きたくてボールペン画を始めた。材木業に携わっているので、途中で描くのをやめて、すぐに出かけられるのもボールペン画の魅力」とも。