八戸市内の書道団体による書道展「第60回記念 黒潮書展」が6月18日~20日、八戸ポータルミュージアム「はっち」(八戸市三日町)で開かれた。
黒潮書道会は、八戸市生まれの前衛書家で八戸市功労者表彰受賞の故・名久井裕三さんが設立。60回目の節目となる昨年は新型コロナウイルスの影響で展示が中止となり、今回が2年ぶりの開催となる。
会場となったシアター1の壁面には、参加会員23人による49点の作品を展示。併せて、色紙・短冊や名久井さんの作品も展示した。2年ぶりの開催ということもあり、ほとんどの作品が新作。前衛・漢字・かな・臨書・創作のそれぞれに、黒潮書道会ならではの力作が並んだ。書展と銘打ってはいるが、前衛書道ならではの「文字」にとらわれないダイナミックな作品も。同会の理念「新しい時代の書芸術の確立」を追求した様子が見て取れた。
黒潮書道会の佐々木祐子さんは「昨年、第60回の節目となる書展が中止となり気落ちしている会員もいたが、今回は2年ぶりということで、皆さん頑張って作品に取り組んだ」と話した。
19日の17時からは、恒例の黒潮書道会公開講座を整理券を発行しての40人限定で開催。今回の講師は滝尻善英さんで、演題は「糠部三十三札所~日本人の祈りと造形~」。学生から年配者までの参加者は、ユーモアを交えた滝尻さんの講演に引き込まれていた。