新型コロナウイルスの影響で八戸三社大祭では、2年連続で山車や神輿(みこし)の運行が取りやめとなっている。明治時代から続くとされる南部の風流山車文化を継承するため、山車組と地域社会の連携した動きが活発化しつつある。
八戸市に本店がある青い森信用金庫では昨年から、地域の山車組と連携した三社大祭関連企画を実施。八戸市内の16店舗がミニ山車の展示や浴衣姿で業務を行うなど、来店客に祭りの雰囲気を感じてもらおうと工夫を凝らしている。このうち鍛冶町支店(八戸市類家)では、地元の鍛冶町附祭若者連が制作した山車人形や山車絵を展示している。8月末まで。この他、青森県内45店舗でも、それぞれの地域の祭りに関連した展示を行っている。実施期間や内容は店舗によって異なる。
ショッピングセンターのシンフォニープラザ沼館(沼館)では、買い物客に祭りの空気を感じてもらおうと、下大工町附祭若者連中と青山会山車組による山車や、全27山車組の組名が入った提灯や祭りの映像の展示などを実施している。8月22日まで。
本来なら前夜祭が行われるはずだった7月31日、祭り発祥のおがみ神社(内丸)では、城下附祭山車組が制作した山車人形が設置され、城下、内丸、青山会の山車組がおはやしを披露した。感染対策のため「やーれやーれ」の声はなく、マスク姿のメンバーが太鼓と笛の音を境内に響かせた。おがみ神社の山車人形展示は6日まで。
2年連続で山車制作が取りやめになるなか、山車組によっては山車の保管場所の維持も課題となっている。定期的なメンテナンスや山車小屋の空気の入れ替えなど年間を通した対応が必要だという。各山車組では感染対策に頭を悩ませながらも、山車の維持管理に工夫を凝らしている。
27山車組で組織するはちのへ山車振興会副会長の宮古角洋さんは「やはり2年連続で山車が披露できないのは寂しい。子どもたちにとって、2年のブランクを1年で埋めることは難しい」と祭りの未来を案じつつも、「この見えない敵と戦って、晴れて行列が実施できるときは、皆さんに楽しんでもらえる祭りにしていきたい」と期待を込めた。