南部氏ゆかりの城館・城郭を巡って御城印集めが楽しめる「南部お城めぐり」で新企画「なんぶのワリイン」が7月31日、スタートした。
プロジェクトは2019年7月、青森・岩手に点在する7城館で開始。昨年には4城館が加わり、11城館が連携。それぞれの城館でデザインの異なるオリジナルの御城印を販売しており、歴史ファン・城館ファンが楽しみながら城巡りを楽しむことができる。 7月31日には、新たに岩手県紫波町の「高水寺城」、秋田県横手市の「金澤城」が加わり、3県13城館となった。
プロジェクトを取りまとめる八戸市博物館の学芸員船場昌子さんによると「御城印が連携した企画としては全国最大規模」だという。売り上げの一部は城跡の維持管理に活用される。船場さんは「それぞれの御城の歴史だけではなく、一族同士がどのような関係にあったのかをディープに知ってほしいと企画した。御城印を通して地域のお城に目を向けてもらえたらうれしい」と話す。
新たに始まった「なんぶのワリイン」は、関係性の深い2つの城の御城印に2枚にまたがって割印を押すことができるもの。11城館で8種類の割印が用意されている。割印を押すことができる御城印の組み合わせは、根城と七戸城、種里城(鰺ヶ沢町)と久慈城、三戸城と九戸城、盛岡城と花巻城、浪岡城と三戸城、聖寿寺館(南部町)と三戸城、九戸城と盛岡城、花巻城と鍋倉城(遠野市)の8種類。各販売所では、それぞれの城の関係性が一目でわかる相関図を配布している。
このうち根城と七戸城については、七戸町教育委員会世界遺産対策室学芸員の小林由夏さんによると、14世紀後半に根城南部家の当主だった南部政光がおいに家督を譲って七戸城に隠居。政光の子孫が七戸南部家を名乗り根城南部家と共存したが、後の九戸一揆で分裂した歴史を持つという。「昔から八戸と七戸は関わりが深かったこともあるので、ぜひ七戸でも割印を押印して、繋がりを感じてほしい」とも。
七戸城の御城印は七戸十和田駅内「七戸町観光交流センター」、七戸町役場七戸庁舎で販売。根城の御城印は八戸市博物館で販売している。 割印の押印は、どちらか一方の御城印が実施期間中に購入したものであることが条件。
「なんぶのワリイン」の実施期間は10月31日まで。
(8月13日:追記)「なんぶのワリイン」は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企画自体が中止となりました。