種差海岸階上岳県立公園(八戸市、階上町)や周辺地域が陸中海岸国立公園に編入され、三陸復興国立公園として再編成されることが3月26日、決定した。
環境大臣から諮問された「三陸復興国立公園の指定について」を専門家から成る中央環境審議会自然環境部会が26日の第18回部会で決定した。復興国立公園は「自然の恵みの活用」「自然の驚異を学ぶ」「森・里・川・海のつながりを強める」が基本方針。長距離自然歩道「東北海岸トレイル」や復興エコツーリズムなど、環境の保全と防災・復興を通じた公園づくりを進め、観光振興にも期待する。
種差海岸は八戸の太平洋沿岸南部に位置し、多様な自然景観が特徴。海岸線は白い砂浜や岩石が露出する部分など変化に富み、天然の芝生地もあり、海抜0メートルから高山植物が植生する。
青森県や八戸市では、正式に官報に告示される5月に合わせ記念式典をはじめとする各種イベントを予定している。決定翌日の27日には八戸市本庁舎前に、復興国立公園化を祝う看板が掲げられ市民や関係者が拍手で祝福した。
環境省八戸自然保護官事務所の高橋瑛子自然保護官は「今回の決定は八戸市民の今までの種差海岸への愛情・応援・協力・理解があればこそ。感謝です。これを機に、さらに地域への誇りを持ってもらえれば」と地元の理解を強調し、八戸市まちづくり文化観光部の古館光治部長は「八戸の宝が国の宝として認められ、とてもうれしいこと。豊かな自然を守りながら、種差海岸をはじめとする三陸地域に全国から足を運んでほしい」と笑顔で話した。