俳優・赤井英和さんの日常が赤裸々につづられたエッセー集「赤井図鑑」(扶桑社刊)が発売された。著者は英和さんの妻で八戸市出身の赤井佳子さん。妻の視点から捉えた「かずくん(英和さん)」の姿を短文と写真で紹介している。
佳子さんは、昨年7月にツイッターアカウント「赤井英和の嫁 佳子」を開設。近所の鳥の鳴き声がどうしても気になりツイッターアカウントを開設したところ「見事にハマった」と佳子さん。子どもたちに手ほどきを受け、夫の英和さんの姿を投稿し始めると、多くの反応が来るようになった。全裸で皿洗いをする英和さん、孫の手が見つからずに壁に背中を擦り付ける英和さん、たとえ風呂上がりで裸であっても家族が出掛ける時は玄関先で見送る英和さんなど、ドラマや映画では見ることのできない俳優・赤井英和の「ゆるい日常」が話題を呼び、フォロワー数は22万人超え。11月17日に書籍化に至った。
佳子さんは青森県八戸市出身。八戸東高校を卒業後、上京。ピアノの指導をするなどして活動していた。知人の誘いで英和さんと酒を飲むことになり、向かった先で「ベロンベロンでグチャグチャの赤井に一目ぼれした」という。「東スポが読みたい」という英和さんのために夜の街で東スポを探し求め、電話番号のメモと一緒に東スポを届けたところから、二人の関係が始まる。英和さんに当時のことを尋ねると「ただ東スポのエッチな記事が見たかっただけだった」と振り返る。
一方的に英和さんのことが好きになった佳子さんは仕事を辞め、大阪府内の英和さんの実家にピアノを運び込み、英和さんの両親と生活を共にすることに。当時すでに俳優として活動していた英和さんは東京にいることが多く、英和さんの父親からは「出ていってくれ」との手紙を受け取ったこともあったが、冗談だと思い受け流していたという。
結婚のきっかけは、佳子さんのおなかが大きくなっていることに気付いた英和さんの父が役所に婚姻届を提出。それから30年、佳子さんは公私共に英和さんを守り続けた。長男の英五郎さんは今年プロボクサーデビューを果たしている。昨年からは家族の何気ないやり取りを発信するユーチューブチャンネル「おおきに赤井英和」も開設し、かつて「浪速のロッキー」と言われた赤井英和の「ゆるい姿」を家族ぐるみで発信し話題を呼んでいる。
佳子さんは、幼少期に父と出掛けた種差海岸などを振り返り、「子どもの頃は当たり前の景色だったが、あんな美しい景色がある八戸にいつかまた住みたい」と語る。英和さんと八戸市を訪れることもあるといい、実家近くの銭湯やスーパーに行ったり、英和さんが一人で八戸市内の飲食店に出掛けることもあるという。
赤井図鑑には大阪の英和さんの両親への感謝のエピソードや、子どもたちとの何気ないやりとり、地元大阪で楽しそうに過ごす英和さんの姿など心温まる内容も。何気ないことがきっかけで始めたツイッターの書き込みが、家族愛に満ちた一冊に仕上がった。佳子さんは「読んでも参考になるような内容ではないが、悠々と生きる赤井英和の姿を見てもらえたらうれしい」と話す。