青森県南部町に秋の訪れを告げる風物詩「名川秋まつり」が9月8日~10日、同町剣吉地区で3年ぶりに開催される。
秋まつりは毎年行われる剣吉諏訪神社の神事。同地区は南部手踊り発祥の地とされ、例年は山車の上で披露される南部手踊りが見ものとなっている。昨年、一昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。今年は地元の山車組が制作する山車の運行を見送るが、みこし渡御やパレード、南部手踊りの披露などを行う。
8日14時から行う「お通り」「お還(かえ)り」の運行では、1771年に作られたみこしを補修作業後初めてお披露目する。みこしは経年劣化による損傷が見られていたため、町からの補助金などを活用して京都府内で補修していた。8日は、郷土芸能による行列や、名川中学校ブラスバンドや名久井農業高校生徒によるパレードも行う。
9日18時~20時30分には、町立南部芸能伝承館に展示された山車の上で南部手踊りを披露。露店やキッチンカーの出店もある。
10日14時~20時30分には、剣吉小学校、名久井小学校、名川南小学校によるパレードや、岩手県盛岡市の「ミスさんさ」による盛岡さんさ踊り、北上市の伝統芸能鬼剣舞など旧南部藩に伝わる芸能が披露される。
剣吉地区の歴史や文化を調べる団体「文化・伝説をめぐる会」会長の板垣雅英さんは「祭りは郷土愛を育む一つの手段でもある。若い人たちは、名川にはこんなに素晴らしい祭りがあるということを胸に刻む。この2年はそれがなかった」と振り返る。
山車制作団体「荒町山車組」メンバーの川守田洸太さんは「この2年はいわゆる『祭りロス』だった。山車がなくても、大好きな剣吉の祭りが行われることはうれしい」と話す。