八戸酒造(八戸市湊町)が製造する地酒「陸奥八仙」「陸奥男山」の瓶などをかたどったカプセルトイの販売が4月26日、イトーヨーカドー八戸沼館店(八戸市沼館)で始まった。
「陸奥八仙特別純米酒」「裏八仙 純米大吟醸 無濾(ろ)過生原酒」「陸奥八仙ピンクラベル吟醸」の瓶のキーホルダー、「陸奥男山CLASSICカップ」のカップのキーホルダー、文化庁登録有形文化財に指定される「主屋」と「陸奥八仙」「陸奥男山」の酒だるのアクリルマスコットの全6種。製造を手がけたアサヒ印刷(弘前市)の漆澤知昭社長は「東北でも数少ない機械で製造したので、クオリティーの高い仕上がりになった」と胸を張る。
漆澤社長は、八仙のファンだという同店の鍬田明美店長の「ラブコールを届けたい」という連絡を受け、八戸酒造を共に訪問。同社の駒井秀介(ひでゆき)専務の賛同を得て商品化が実現した。八戸酒造で働く約30人の社員にアンケートを取り、集まった意見と鍬田店長の意見を反映させた。駒井専務は「店長がピンクラベルと裏八仙推しだったので、この2つは必ず入れようと思った」と言う。
鍬田店長は鹿児島県出身。「八仙とのつながりは深い」と言う。2017(平成29)年9月、同店の店長に着任。八戸で初めて立ち寄った飲食店で飲んだ「ピンクラベル」が「陸奥八仙」との出合いだった。「ラベルを見た時の第一声は『かわいい』だった。飲みやすく、なめらか、フルーティーだが、その後、しっかりとした味わいがして一瞬で好きになった」と振り返る。現在は八仙好きの友人と「チーム八仙」を組んで、酒を楽しんでいるという。「夏にはグラス、冬には温めて飲むとまた味が変わるのを発見した」「裏八仙にも感動した」とも言い、「よく『浴びるように飲む』と言うが、私は八仙で始まり、八仙で締める」と熱を込める。
同店では昨年12月、地域に寄り添った店舗運営をしようと、「蕪嶋神社」「スタミナ源たれ」など県内の名所・名物をかたどったオリジナルのカプセルトイを発売。「子どもに限らず、いろいろな世代の人がカプセルトイを楽しんでいる」という。今回は、その第2弾。カプセルトイは同店の店員が手作業でカプセルに入れ、販売する。
漆澤社長は「鍬田店長の八戸の商品をアピールしたいという熱い思いで実現した。キーホルダーはかばんなどのワンポイントに、アクリルマスコットはパソコンの前や食卓に置物・インテリアとして、いろいろな楽しみ方をしてほしい」、駒井専務は「ご当地カプセルトイは地元でしかできない。蔵見学には、県内外、海外からの訪問も増えている。カプセルトイをきっかけに八仙を知ってもらい、地元八戸・青森を知ってもらえれば」と期待を込める。
価格は500円。