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八戸・陸奥湊の旧魚市で抽象画の個展「いのちのかさなり いろのおどり」

作品を制作する大岡弘晃さん

作品を制作する大岡弘晃さん

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 「大岡弘晃 アーティスト・イン・レジデンス&個展 in 陸奥湊 いのちのかさなり いろのおどり」が現在、八戸市陸奥湊駅前の旧みなと市場(八戸市湊町)で開かれている。

「大岡弘晃 アーティスト・イン・レジデンス&個展 in 陸奥湊 いのちのかさなり いろのおどり」で展示する作品

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 鮮魚店や酒蔵などが立ち並ぶ「陸奥湊エリア」の活性化に取り組む「みちのくみなと未来」が主催。昨年リニューアルされた「市営魚菜市場」の並びにある旧市場のスペース全体を活用した。

 作家の大岡弘晃さんは宮崎県生まれ。5月16日から八戸市に滞在。個展会場付近の作業場で寝泊まりし、自ら市内を歩き、素材やモチーフを探した。港町・八戸の要素としてホタテの貝殻10キロを粉砕して白の顔料を作り、作品に使った。粉砕はコーヒーミルを使用。貝殻の固さですぐ歯がつぶれ、全て粉砕するまでに3台使ったという。市民から提供を受けた縄文土器のかけらも使った。

 大岡さんの手法は、吸水性のある紙が貼られたキャンバスに無水エタノールを流し、その上に各色の染料を広げる。それらがにじみ、交じり合い、時間の経過とともに偶発的に発色したものをベースにさらに上塗りする。最後に金色の箔で仕上げる。今回は無水エタノールに加え、八戸酒造(湊町)で作られた蒸留酒スピリッツ「MINATO DISTILLERY(ミナト・ディスティラリー)」も使い、アルコール度数の違いから来る色の変化も表現した。

 会場には大型の500号の作品を含む計47点を並べ、壁に書かれた手書きの文字や置かれたオブジェで独特の雰囲気を演出。「インスピレーションが湧けば、さらに作品が増えることも」と大岡さん。作品やオリジナルグッズの販売も行う。

 大岡さんは「滞在先で作った絵具を用いて抽象画を描いている。今回はホタテの白と、縄文土器のかけらも絵具に混ぜている。八戸酒造のスピリッツも使ったので、文字通り、八戸のスピリッツ(精神)も加わったのでは」と笑顔を見せ、「絵と対話がしやすいように作っているので体感しに来てほしい」と来場を呼びかける。

 開場時間は12時~18時(土曜・日曜は10時~)。入場無料。6月18日まで。

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