恋人・友人など男性同士の人間関係を描く映画「ボクらのホームパーティー」の上映会が7月17日、八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)で開かれる。
川野邉修一監督が製作。上映会は川野邉監督の学生時代の友人で青森県在住の松森勇気さんが、LGBTQ非当事者として当事者を支援する「アライ」の立場で企画。八戸で映画上映会の後援活動を行う「白マドの灯(あかり)」のサポートを受けて実施する。同作品の東北地方での上映は初めて。
7人の男性の人間関係・日常生活に焦点を当てた80分の作品。セクシャリティーに悩む男子大学生、ゲイバーで働く男性、恋に悩む若い男性、パートナーの浮気を疑う会社員などが東京都内のアパートの一室でホームパーティーを開き、酒を交わす中で悩みや気持ちを表面化させ、「本音」を吐露する。ゲイとして生きる男性の「生きづらさ」「日常」「悩み」などを描く。
川野邉監督にとって初めての長編作品。「短編作品『凪(なぎ)』を公開したことが製作のきっかけだった」という。女子高校生2人の約束から始まる失踪・複雑な関係性を描いた「凪」の「同性愛のような描写」を「中年男性が製作したことに嫌悪感を覚える」と指摘された。川野邉監督は「『凪』の製作の中で自分のセクシャリティーが出ていた」と感じ、自身のセクシャリティーと向き合った作品「ボクらのホームパーティー」を撮影することを決めた。
試写で作品を見た際、「高校生の時の自分に見せたかったと思った」と川野邉監督。「当時は男性を好きになって良いかどうか分からず、自分を押し殺していた」といい、「その時の自分がこの映画を見ていたら、もっと広い視点で生きられたかもしれない」と振り返る。「撮影後は自分のセクシャリティーについて隠す必要がなくなった」とも。
同日、川野邉監督、青森県でLGBTQ当事者を支援する「そらにじあおもり」、八戸でまちづくり・ラジオ番組制作などに取り組む「JKchan(ジェーケーチャン)」などの関係者が登壇するトークショーも予定する。
「凪」「泥人(どろじん)」「ぼっち」など、川野邉監督が関わった短編作品の上映会も行う。
川野邉監督は「セクシャリティーに関係なくいろいろな話ができれば」、アライとして上映会を企画した松森さんは「青森にも同じような仲間がいることを知ってもらえたら」と、それぞれ来場を呼びかける。
「ボクらのホームパーティー」の上映は、1回目=13時30分~、2回目=18時~。短編作品の上映は16時~。入場料は、一般=1,000円、大学・専門学生以下=500円。公式サイト内のメールフォームから申し込む。