
えんぶりを題材とした型絵染作品で知られる故・類家謙次郎さんの作品をプリントした一筆箋の販売が2月12日、喫茶店「週末喫茶Happy?」(八戸市類家4)で始まった。
謙次郎さんと親戚関係にある類家澄子さんがカレーやコーヒーなどを提供する同店。民俗芸能を題材とした型絵染作品を数多く残した謙次郎さんの遺作を知ってもらおうと、現在、八戸に春を呼ぶ「八戸えんぶり」に合わせた企画「類家謙次郎えんぶり展」を開いている。
一筆箋は同展に合わせ製作。かがり火の前で舞う太夫や、えんぶり唄の歌詞、ツルやカメに囲まれて舞う太夫など、えんぶりの緊張感ある場面を描いた版画作品から8つの柄をプリントした。20枚入り2種類、400セットを用意。「家族総動員で袋詰めした」と類家さん。
えんぶり和紙人形作家の高橋寛子さんは「春が近くて明るいが、この季節の風は一年で最も厳しい。寒いながらも、その先に春を感じる。謙次郎さんの作品は、2月の風をはらんでいる」と話す。
「おじさんの作品は、デフォルメしているのにリアルで、動きがある。気軽に使ってほしい」と類家さん。謙次郎さんのインスタグラムアカウントを運営する次男でトランペッターの類家心平さんは「父の作品を身近に感じて使ってもらえたらうれしい。父も民芸を愛していたので、日常使いの商品になったことをうれしく思っていると思う。贈る人も贈られる人も、きっと幸せになるのでは」と話す。
価格は550円。営業日は金曜~日曜。営業時間は11時~18時。カネイリミュージアムショップ(三日町)でも扱う。「類家謙次郎えんぶり展」は3月2日まで。