
小学6年のドラマー、中村光希君の「12歳バースデーライブ」が8月30日、ジャズの館南郷(八戸市南郷中野)で開かれる。
ジャズピアニストのデビッド・マシューズさんが小学生~大学生のメンバーとジャズ演奏に取り組む「八戸ジャズ楽団」の一員として活動する中村君。リーダーを務める今回のライブでは、ピアノにマシューズさん、ベースに同楽団指導メンバーの久保沢清吾さんを迎えた3人組の編成で、セットリストも自分で決めたという。チャーリー・パーカーの「ビリーズ・バウンス」、エラ・フィッツジェラルドの「ミスティ」、ハービー・ハンコックの「ウオーターメロン・マン」などジャズのスタンダードナンバー5曲を演奏する。
中村君は7月25日、南郷サマージャズフェスティバル前夜祭でマシューズさんのステージに参加し、「キャラバン」や「枯葉」で大人顔負けのソロ演奏を披露して会場を沸かせた。
ジャズドラムを始めたのは4歳の頃。八戸の伝統芸能「えんぶり」が好きで、太鼓のおもちゃでおはやしをまねて遊んでいたという。スーパーで流れていたジャズが気になり、ドラムに興味を持ち始めた。現在は市内の音楽教室でドラムのレッスンを受けるほか、自宅ではドラマーの江藤良人さん、森山威男さんのCDを大音量で聞きながら演奏をまねて練習しているという。
マシューズさんや八戸ジャズ楽団との出会いは小学2年の頃。ジャズ喫茶「東門」(階上町赤保内)で開かれたサックス奏者・寺久保エレナさんのライブを見に行き、ライブ後にドラムを演奏したところ、たまたま来場していたマシューズさんと妻の径子さんから声をかけられた。その後、同楽団がジャズの館南郷で定期的に開くライブや、市内で開かれるジャムセッションに出演し、マシューズさんと共演を重ねるようになった。マシューズさんは「これまで、スティーブ・ガッドさん、デイブ・ウェックルさんなど素晴らしいドラマーと演奏したが、光希君と一緒に演奏できることも幸運に思う」と話す。
中村君の将来の夢はプロのドラマーになること。「いつかジャズの頂点に立つ」と意気込む。父親の拓也さんは「得意のドラムを伸ばして、プロになってくれたら」、母親の幸子さんは「マシューズさんをはじめ出会いに恵まれ、チャンスを与えてもらった。好きなものは追及する性格。それが今につながっている」と話す。
開演時間は13時。入場料は500円。