
「戦後80年広島・長崎原爆投下関連特別展示」が8月13日~8月18日、八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)2階シアター2で開かれた。
広島・長崎への原爆投下を世界全体の問題として捉えてもらおうと、八戸市危機管理課が主催。これまでは市庁舎で展示を行ってきたが、終戦80年に合わせて会場を同館に移し、規模を拡大した。広島平和記念資料館(広島市)や平和首長会議から提供を受けた写真やポスター、広島平和文化センター(同)提供の広島市立基町高等学校(同)の生徒が被爆者の証言を基に描いた絵画など63点を展示した。
高校生による絵画には、焼けただれた皮膚が垂れ下がったまま歩く人々、原爆投下の直後に目と唇を残して全身が焦げてしまった男性、大やけどを負った3歳ほどの子どもが水をくれた人に礼を言いながら息を引き取る様子など、生々しい惨状が描かれていた。それぞれの作品には「生きている人とは見えない、体は真黒、何も着ていない、目は見開いたまま、くちびるが可哀想、ザクロのようだった」(原文ママ)など、被ばく体験者の証言が添えられた。このほか、すさまじい熱線によって溶けた一升瓶、全身に大やけどを負った人々、被ばくの影響による皮膚がんの患部、広範囲にわたってがれきの山と化した町などの写真で、当時の状況を紹介した。
会場には。松井一實広島市長と田上富久元長崎市長の共同メッセージを掲示。「被爆者は今もなお不安のうちに生活している」「核兵器を廃絶するという願いは今なおかなえられていない」と被爆者の苦痛と核兵器の廃絶に触れ、「展示を通して核兵器が『絶対悪』だと理解し、一人一人に行動を起こしてもらいたい」と呼びかけた。
企画を担当した八戸市危機管理課の秋山遼如さんは「戦争や原爆の記憶は伝える人々がいなければ徐々に風化してしまう。被爆体験に触れ、平和に対する思いについていま一度考えてほしい」と話す。