
「喫茶蛮(ばん)」(八戸市柏崎6)が9月9日、オープンした。
1951(昭和26)年から営業し、現在は八戸市片町地区で営業を続ける「珈琲(コーヒー)蛮」(類家)の3代目店主を務める小田桐瑞恵さんが、喫茶店「がるーだ」の店舗として使われたスペースをそのまま引き継ぎ出店した。壁いっぱいに設置された本棚から好みの小説やマンガ本を取り出して読むことができる。店舗面積は18坪、席数は28席。
メニューは片町地区の店と同じ豆を使うコーヒー(380円)やカフェオレ(500円)のほか、ピザトースト、ミネストローネ(以上、580円)などを用意する。
カフェ巡りやレトロな食器を収集することが趣味だという小田桐さん。片町地区の店を営業する中でより多くの人が利用できる喫茶店を開きたいと考えていたところ、がるーだの店舗跡が残されていることを知った。閉店後約9年間にわたりメンテナンスされ続けていた店の雰囲気を生かそうと、ほとんど改装しなかったという。夏は寒色系、冬は暖色系など、小田桐さんが収集したカップやトレー、脚付きグラスなどを使って季節感を演出する。中には、がるーだや片町地区の店で使われていたものもある。「普段使いしない食器で非日常を味わって」と話す。
小田桐さんは夫の敦(あつし)さんと共に片町地区の店を6時から8時まで営業した後、美容関係の本業の合間を縫って喫茶蛮を営業する日々を送る。飲食業を営んだ両親のもとに育ったが、飲食業は自分には向いていないと考えていたという。人生観を変えたのは、珈琲蛮初代マスターの佐藤勝男さん夫婦との出会いだった。常連客が決まった時間に集まり、交流を深める日常があったという。
小田桐さんは「大切でなくしてはいけない場所。より多くの皆さんと時間を共有できたら」と話す。
営業日時はインスタグラムで知らせる。