「古代エジプト美術館展」が10月11日、八戸市美術館(八戸市番町)で始まった。
デーリー東北新聞社(城下1)が創刊80周年を記念して開催。古代エジプト美術館 渋谷(東京都渋谷区)から、日本人の収集家や考古学者が収集した美術品としての価値が高い遺物約200点を展示する。
会場は「古代エジプトの神々と信仰」「ファラオが率いた国家」「古代エジプト人の衣食住」「古代エジプトの死生観 再生とミイラ」の4つのエリアに分け、紀元前3000年ごろから約3000年にわたって栄えた文明の一部を紹介。全長196センチの木棺、高さ70.5センチ、直径138センチの神殿の柱の基部、少女のミイラの頭部や足、象形文字や人の形が彫られたレリーフ、アクセサリー類などが並ぶ。
会場奥には金色に輝くミイラマスクを展示。神々の皮膚が金でできていると考えた古代エジプト人は、死者が聖なる存在となって復活すると考え、マスクの顔や首の部分に金箔(きんぱく)を施したという。亜麻布を基に、鉱物の粉末で下地を整え、赤や緑などで目鼻立ちを際立たせている。
11月14日には、八戸市民大学講座と連携した企画として駒沢大学(東京都世田谷区)文学部の大城道則教授による講演会が開かれる。演題は「古代エジプトの神々とピラミッド」。会場はSG GROUPホールはちのへ(八戸市公民館、内丸1)。開催時間は18時30分~20時。申し込み不要。入場無料。
デーリー東北新聞社の広瀬知明社長は「80周年記念事業で最大の事業の一つ。美術的要素が高い遺物をそろえている。合掌土偶や漆で彩られた製品など、いにしえの縄文文化が花開いた八戸で古代エジプトの遺物を展示できることは感慨深い」、古代エジプト美術館 渋谷の菊川匡館長は「博物館ではなく美術館。美術品のようにきれいなものを集めた。本物が持つ力を感じてもらえれば」と話す。
開館時間は10時~19時。火曜定休。観覧料は、一般=1,500円、高校生・大学生=600円、小学生・中学生=300円、未就学児無料。12月15日まで。