
八戸聖ウルスラ学院高校(八戸市田面木)の演劇部が現在、10月18日・19日に弘前文化センター(弘前市)で行われる第46回青森県高等学校総合文化祭演劇部門(県大会)での上演に向けて稽古に励んでいる。
同校は9月6日・7日、第65回三八・上北地区合同演劇発表会(地区大会)で、一人芝居「ドーナツ、その穴の存在について」を上演。8校の中から3校が選ばれた最優秀賞に輝き、県大会への切符を手にした。
舞台は宇宙。物語には哲学的な視点を取り入れ「ドーナツに穴は存在するのか、存在しないのか」をテーマにした。主人公の宇宙人が地球上で体験したさまざまな出来事を基に講演会を行うユニークな内容で、見慣れない宇宙人に対する偏見、差別、迫害などメッセージ性の高い要素を盛り込んだという。地球人の「欠点」や「欠落」を「ドーナツの穴」に例え、主人公自らにもその穴があることに気付く。
脚本を手がけたのは、顧問の橋本佳織教諭。検索すれば答えが分かるインターネット社会の在り方を問題視し、部員たちに考えを巡らせながら演劇と向かい合ってもらおうと、「宇宙」や「ドーナツの穴」を題材にした。「稽古では部員が行き詰まったときにフォローするにとどめている。部員たちだけでほとんどの問題を解決できるようになった。この作品に取り組んだことが、将来に生きれば」と話す。