
洋菓子店「リーベシムラ」(八戸市鍛冶町)が10月25日・26日、創業100周年記念イベントを開催する。
今年4代目店主に就いた志村悟史さん、3代目店主の一雄さん、悟史さんの姉の恵理さんが営み、八戸市鍛冶町地区の住民に親しまれる同店。悟史さんの曽祖父(そうそふ)で初代店主の故・正吉さんが和菓子店「志村菓子店」として創業した。悟史さんによると、2代目店主の故・喜平治さんの話では1925(大正14)年にはすでに営業していたという。周年記念イベントの開催は今回が初めて。
両日、ケーキを値引き販売するほか、悟史さんと親交がある店の商品も販売する。ラインアップは、「有枝珈琲(コーヒー)店」(南類家2)がイベントに合わせてブレンドしたコーヒー、食堂「ジャッキー」(類家)の唐揚げ(500円)、「ベーカリー・グラーノ」(番町)のデニッシュ(350円)、菓子工房三福(五戸町上大町)のワッフル(2個300円)、ノワ洋菓子店(下長4)のチーズコロネ(250円)など。
このほか、悟史さんが修業したケーキ店「スプランディード」(埼玉県さいたま市)の焼き菓子も並ぶ。2023年に修業から戻ったという悟史さんは「後継ぎや実家の店に戻ったばかりの人など、同じような境遇の人に声をかけた。仲間の商品を知ってもらうきっかけになれば」と話す。
同店は一雄さんが後を継いだ1976(昭和51)年、喜平治さんの勧めで洋菓子店に転身。以来、一雄さんは八戸産イチゴなどの地域食材を生かした菓子作りを行っている。「近年は原材料のチョコレートの仕入れ値が3~5倍になる中、商品の価格の上昇を最小限に抑えている」と悟史さん。イベントでは、チョコレートをふんだんに使ったケーキ「オペラ」(350円)を販売する。一雄さんは「地域の産物からうまみを引き出すことを大切にしてきた。皆さんには食を通じて文化を感じ、自身の中に『味覚の物差し』を持ってもらえたら」と話す。
悟史さんは「長年にわたり、店の顔として接客を担当してきた母(故・美知子さん)は常連の皆さんとの距離が近かった。父、自分、姉が店を切り盛りしている今の姿を見せたかった。先祖や父が作り上げてきた店の雰囲気を守りながら、自分の道を開いていきたい」と力を込める。
営業時間は10時~20時。