八戸を代表する油絵画家の一人、故・今川和男さんの水彩画を紹介する遺作展が2月13日から、地酒「八鶴」「如空(じょくう)」を販売する八戸酒類蔵元直売所(八戸市八日町)で開かれる。
えんぶりの水彩画をプリントした「八鶴」の特別ラベル(写真提供=今川和佳子さん)
1973(昭和48)年に中学校教諭を退職し、画家に転身した今川さん。出身地の五戸町が馬産地であることを背景に、馬を題材にした油絵作品を発表し続けた。元教員という背景から、八戸工業大学第二高校美術コースの創設や後進の指導にも尽力。八戸市根城に構えたアトリエ「今川美術研究所」で開いた油絵教室では、これまでに約200人の生徒を指導した。昨年1月12日、84歳で急逝した。
亡くなって初めて開かれる同展では、今川さんが晩年に描いた馬や郷土芸能「えんぶり」の水彩画20点を展示する。油絵画家として知られる今川さんの水彩画作品が紹介されるのは今回が初めて。「えんぶり」を題材にしたはがきサイズの作品は、太夫や祝福芸を舞う子どもの姿が細い線と淡い色合いで描かれている。生涯にわたって描き続けた馬も、晩年は水彩絵の具で描いていたという。会場では、えんぶりの作品をプリントしたポストカードや「八鶴」特別ラベルの販売も行う。
「おしゃべりだった父がいない作品展はこれが初めて」と話すのは、次女でアートコーディネーターの今川和佳子さん。今川さんの最期の約15年の画業を支え続けた。今川さんは亡くなる前日も五戸町の馬肉と地酒を楽しみ、制作に取り組んでいたという。会場では和佳子さんが撮りためた生前の今川さんの動画や写真も展示する。
和佳子さんは「父は暮らしの中に潜む美に関心を持っていた。長年油絵を発表してきたが、なぜか晩年は水彩画を描いていた。父の違う一面を見てもらえたら」と呼びかける。「父は地酒を愛した。蔵元での開催を喜んでいるのでは」とも。
開催時間は10時~16時。2月15日休催。入場無料。2月21日まで。