八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館(八戸市是川、TEL 0178-38-9511)が10月22日、一王寺(1)遺跡(是川)の現地説明会を開き、約40人の市民が集まり理解を深めた。
同センターは、同遺跡の発掘調査を8月22日から進め、竪穴住居後や集石遺構、貝塚などを検出した。縄文時代前期から中期の貝塚からは、縄文土器、石器、鹿の骨などが出土している。盛り土遺構からは、縄文土器や石器のほかにカツオやマグロの骨、イガイやアサリ・アワビなども出土している。
縄文人がカツオやマグロなどの外洋性の魚を食べていたとみられることから、海での漁労を行った可能性や他地域との交流があった可能性が見えてきた。
説明会では、是川遺跡が1957(昭和32)年に国の史跡指定を受けてから初めて縄文時代中期後葉(こうよう)の竪穴住居3棟や集石遺構が見つかるなど、当時の集落の様子を考える上で重要な成果が得られたことなども説明した。
同館の調査担当の横山さんは「市民の皆さんから注目されている遺跡の調査・説明ができて大変うれしく感じている。これからの是川遺跡の調査成果などにも注目してほしい」と話す。
同館では、調査結果についてさらに詳しく説明する報告会を開く。11月12日13時30分~16時。参加無料。申し込み不要。