八戸市の更上閣(八戸市本徒士町5)で2月26日から、歴史のあるひな人形を展示する「第10回 八戸ひなまつり展」が開かれている。
会場となる更上閣は1897(明治30)年ごろに建築された純和風建築物で、2003年には国の登録有形文化財にも指定される。
同展では、元禄(げんろく)時代から明治期の歴史あるひな人形200点を展示する。主な展示人形の中で、「元禄雛(ひな)」は、衣装に十二単(ひとえ)が取り入れられ、髪の毛は墨で塗られている。江戸期に製作された「有職(そく)雛」は、京都で製作され気品漂う静けさが似合うみやびな魅力がある。
特別展示している「玉翁雛」は、京都で初めて人形にガラスの目を入れる技法で製作したといわれる。能面のような顔の表情と切れ上がった目も特徴的。
更上閣の遠藤達也さんは「時代による変化や、場所による変化、着ている衣装もそれぞれ特徴があるので、見どころはたくさんあると思う。ひな人形以外の人形の展示もしている。市内の有志の方からお借りした卵の殻を使った『たまご雛』も展示している。子どもたちには、着物着付け体験や折り紙コーナーもあるので楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。
会場を訪れた60代の女性は「おひなさまはいいですね。五月人形もいいけど、おひなさまは飾りや道具を見るのも楽しい。江戸、京都や時代で衣装やおひなさまの顔が違ったり、お武家と町屋でも違いがあったりと見ていて飽きない」と話す。
開催時間は9時~17時。入場料=大人(300円)、高校生以下無料。3月20日まで。