八戸の鮫(さめ)町生活館(八戸市鮫町)で4月9日、八戸市鮫地方に伝わる伝統芸能「鮫神楽」の若手発表会「鮫神楽発表会」が開かれた。
同神楽は八戸藩制時代から物資移出入港として栄えた鮫地域に広がり、修検者によって伝えられた山伏神楽の流れをくむといわれる。同神楽も神楽を支える神楽連中の高齢化が進む中、1971(昭和46)年から小中高生を対象とした伝承会を実施し伝統芸能を後世に伝えるべく奮闘している。
発表会は毎年、4月中旬に行われる蕪嶋まつりの1週間前に若手修練の発表の場として開かれる。当日の会場には近隣の地域住民や老健施設の入所者、郷土芸能愛好家も集まり、立ち見も出る盛況となった。
今回は20数年ぶりに「安宅関(あたかのせき)勧進帳」も上演。出演者が花道に見立てた客席内の通路を通り、多くの完成を受けた。衣装替えの合間には、同神楽保存会会長の柾谷伸夫さんから鮫神楽の歴史・寛永年間から伝わる鮫神楽の台本・「ミニ南部昔しコ」・「ワンポイント南部弁講座」の披露もあり和やかに観客を楽しませた。
場内には、2月に鮫神楽を習いに来ていたコンテンポラリーダンサーの姿もあり、2か月ぶりの師匠(小学生)との再会を喜ぶ姿も見受けられた。
柾谷さんは「鮫の神楽は、8月の14日・15日に墓前で舞う墓獅子が有名だが、他にも多くの演目が伝わっている。後継者不足から存続も危ぶまれた時期もあったがここ数年、鮫地区の小中学生高校生の協力で、また元気になってきてうれしい」と話す。「今年の青森県高文連で、市内の高校生によるおはやしと舞手で『番楽』の披露を計画してる」とも。