八戸市の「デーリー東北ホール」(八戸市城下1)で現在、八戸市出身の芥川賞作家の特別展「三浦哲郎の作品とその素顔」が開かれている。
同展は八戸市市制施行88周年の記念事業として、三浦哲郎と親交の深かった立花義康さんが収蔵し遺族から八戸市に寄贈された三浦関連の資料を中心に、机などの愛用の品、デーリー東北新聞社所蔵の直筆の原稿など880点を展示する。
三浦さんは1931(昭和6)年、八戸市三日町生まれ。1961(昭和36)年に「忍ぶ川」で第44回芥川賞受賞。ほかにも「少年賛歌」や「白夜を旅する人々」などで数多くの文学賞を受賞している。
展示会場には書斎で使われていた文机や万年筆、電気スタンドなどの愛用の品や、直筆の書、親友であった立花義康に宛てた手紙やハガキなど多数展示されている。
来場者は貴重な展示に見入ったり、三浦さんや立花との思い出、三浦文学の魅力などを語り合ったりしていた。
八戸市立図書館の磯嶋奈都子さんは「今回の展示に当たり、立花さんが収集した貴重な資料を提供いただいた立花家の皆さん、多くの助言やご協力を頂いた三浦家の皆さんのおかげで開催することができた。これだけの資料を一堂に見る機会もなかなかないので足を運んでもらいたい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~17時。入場無料。10月17日まで。
15日には「三浦文学と南部の風土」と題したギャラリートークを開く。三浦哲郎文学顕彰協議会副会長の森林康さんによる作品解説や、朗読サークル「やまびこの会」や八戸市内の中高生による作品の朗読を行う。開催時間は14時~16時。入場無料。