八戸・売市の「八戸南部氏庭園」(八戸市売市4)で10月20日~22日、庭園を一般公開する「八戸南部氏庭園 秋の開園」が行われた。
同園の歴史は江戸時代の天保(てんぽう)年間にまでさかのぼり、八戸藩が薩摩藩第8代藩主島津重豪(しげひで)の息子・信順(のぶゆき)を八戸藩第9代藩主として迎えた際に造られた。当初は異国船を監視する目的の物見場で、そこに殿様が休憩する場所を設けたことから庭園の歴史が始まった。
現在は八戸市が管理し、春と秋の年2回、一般開放が行われている。
同園は「蓬菜(ほうらい)山形式・回遊式の枯れ山水」という形式で、水を使わずに川や海を表現するのが特徴。近くを流れる馬淵川を背景に石組みが川面に浮かんでいるように配置する。
開園初日の20日は、八戸根城史跡ボランティアガイドのメンバーが市民を案内し、色づき始めたツツジやモミジなどの木々を眺めながら城下町八戸の歴史に来園者は思いを巡らせた。
同ボランティアガイド代表の加藤眞人(まこと)さんは「八戸は産業の街だが、歴史の街でもある。南部氏庭園は殿様の別邸があった場所で、四季折々に美しい姿を見せる。春はツツジの花が美しい。八戸藩の歴史を表す貴重な文化遺産なので、来園して殿様やお姫様の気分を味わってほしい」と話す
開園は当初23日までの予定だったが、台風21号の影響で22日までとなった。