八戸の「櫛(くし)引八幡宮」(八戸市八幡)と「浮木寺(ふぼくじ)」(鮫町)で11月2日、文化財の消火訓練が行われた。
秋の「文化財保護強調週間」に、八戸市教育委員会が八戸消防本部の協力を得て毎年実施している同訓練。今年は櫛引八幡宮と浮木寺の2カ所で行った。
櫛引八幡宮は「赤糸威(おどし)鎧」、「白糸威褄取(おどしつまどり)鎧」が国宝に指定されているほか、建築物や所蔵品が国・県・市指定文化財に多数指定されている。浮木寺は、乙因追善(おついんついぜん)俳諧献額が歴史資料として市の指定文化財となっている。
櫛引八幡宮の訓練は、「枯れ葉を焼却中に拝殿に飛び火した」という想定で実施。参加者は119番に通報、参拝者の避難誘導、敷地内動力消防ポンプを使った消火訓練などを行った。消防署員の指導で消火器を使った初期消火活動についても学んだ。
櫛引八幡宮宮司の營田(つくた)稻(とう)太郎さんは「消火訓練をやるということで、準備をしてきたが、実際にやってみると、思った通りに体が動かなかったり、緊張で体が動かなかったりといったこともあった。消防署員の指導で何とかできて、やって良かったと思った。文化財だけではなく参拝者も守るという意識を持って自主訓練を重ねていきたい」、神社の女性職員は、「いざという時にすぐに動けるように消火器などの場所を把握しておこうと思った。きちんと通報したり、避難場所へ誘導したりするなど日頃からできるように備えたい」とそれぞれ話した。