宮澤賢治の詩とベースの即興演奏のコンサート「宮澤賢治 愛のうた 百年の謎解き in 八戸」が8月26日、カフェ「Swing Street Cafe」(八戸市江陽1)で開かれた。
岩手県盛岡市生まれのエッセイスト、絵本作家の澤口たまみさんの「新版 宮澤賢治 愛のうた」(夕書房)の出版を記念したもの。これまでに、盛岡市を中心に東京、京都などでも開かれ、八戸市では初開催。
「宮澤賢治 愛のうた」には、生涯独身で堅いイメージのある賢治に実は恋人がいた時期があり、作品の中にもそれを解き明かすヒントがあることがちりばめられていることや、相思相愛の恋などが記されている。
コンサートでは澤口さんの謎解きトークと、盛岡在住のベーシストの石澤由男さんがその世界観を即興演奏で音を紡ぐ。会場を訪れていた賢治ファンや研究者らは、2時間の長丁場を立ったまま語る澤口さんの言葉にうなずいたり、作品の一節を時には一緒に口ずさんだりなどして賢治の世界にひたっていた。カフェオーナーでギタリストのMOJO山内さんもギターでコンサートに参加した。
澤口さんは「今日は賢治の恋の一部始終を開封するイベント。宮沢賢治の恋について語ることは、長い間研究者の独り言のような状態にあった。今日は皆さん温かい笑顔で聴いてくださり、私が話し掛けるとレスポンスがあるすてきなお客さま方で、八戸の土地柄の良さを感じた」と話す。