八戸市南郷地域の歴史と記憶を振り返り未来を見つめる演劇作品「くじらむら 海がない村のくじらの物語」が10月27日・28日、八戸市南郷文化ホール(八戸市南郷市野沢)で開かれる。
南郷地区は八戸市南部の山あいに位置し、米があまり採れなかったことから、南氷洋捕鯨漁に従事する人も多く、最盛期の1960年代には220人を数え「くじらの村」とも呼ばれ地域経済を支えた。
演劇は、八戸市が進める同地域の魅力をアートで再発見するプロジェクト「南郷アートプロジェクト」が7年目にあたり行われる「なんごう小さな芸術祭」の一つとして上演する。
作・演出は青森県出身の演出家・劇作家で劇団「柿喰う客」代表の中屋敷法仁さんが務める。中屋敷さんはハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の脚本や、舞台「黒子のバスケ」の演出なども手掛ける。
中屋敷さんは「南郷で実際にあった歴史をファンタジーとして演劇で見ることができる。南郷の歴史である題材と個性豊かな出演者、未来へ向けての新しい表現が見どころ。南郷の人はもちろん、南郷にゆかりのない人にも見に来てほしい」と話す。
出演者は今年5月にオーディションを行い、10代~70代の演者が集まった。八戸からの参加者をはじめ東京で活躍している俳優も2人出演する。せりふはないが3歳児も出演する。盛岡から参加の出演者、岩崎野花(ののか)さんは「中屋敷さん、プロの役者さんたちと出演できる貴重な機会。少しでも多くのことを学びつつ、少しでも良いものを作り届けたい」と話す。
開演時間は、10月27日=17時30分、28日=13時30分。入場料は、大人1,500円(当日2,000円)、高校生以下無料(要整理券)。チケットは八戸市南郷文化ホール(南郷)、八戸市公会堂、八戸ポータルミュージアム「はっち」(三日町)、南郷アートプロジェクトメールなどで取り扱う。