十和田市現代美術館(十和田市西二番町)休憩スペース(カフェ)で11月11日、アートグッズ試作品の展示販売会「十和田空想デパート」が行われた。
出品者は、同市や同市ゆかりの素材の魅力を伝えるための研修「十和田アートグッズデザインコーディネーター養成研修」の受講者9組。受講者は、デザイナー、アートディレクター、商品プロデューサー9人の講師による全12回の講義やワークショップで作品を作り上げた。
作品は、「地元希少野菜のミニチュア」「地元特産の長いものボールペン」「新聞紙で作った帽子」「十和田湖の形をしたクリップ」など従来の枠にとらわれないユニークなアイデアにあふれるもの。
同会を主催した、「tecoLLC」(青森市浪岡王余魚沢)プロデューサーの對馬眞(つしましん)さんは「空想ということで自由な発想を生かすこと、販売することの両立に難しさや不安もあった。受講生の皆さんのプレッシャーも相当なものだったと思う。最終的には、マーケティングや理論的にものを考えるときに見落とされがちな感覚やアイデアが育ってくれた」と受講生の成長ぶりにホッとした様子。「受講生のこれからの活躍が楽しみだし、さらにアイデアを一緒に育てていきたい」とも。
講師の一人である、アートディレクター・デザイナーの「09works(ワックワークス)」(緑1)代表の和久尚史(わくなおふみ)さんは、「長いもボールペンがあまりにリアルに作られていて、講師ながらビックリした。思わず手に取りたくなる。最終的にどの作品も完成度が高く仕上がっている」と満足そうに話した。
展示会に訪れた約600人の市民は、見慣れぬ作品を興味深そうに眺め、制作時の苦労などを出品者に問い掛ける姿も見られた。