八戸市公民館(八戸市内丸)で3月11日、北東北の大学が連携して「北東北防災市民フォーラム」を開催し約300人の市民らが集まった。
東日本大震災発生時刻の14時46分には全員で黙とうをささげた
同フォーラムは、北東北で土木・建設系の研究室を持つ、八戸工業大学、秋田大学、岩手大学、弘前大学が共同で開催(主管=八戸工業大学土木建築工学科・防災技術社会システム研究センター)。東日本大震災からの教訓やその後の研究結果の発表があった。
秋田大学土木環境工学専攻・教授の松冨英夫さんが「東日本大震災から学ぶ津波防災」、八戸工業大学土木建築工学科・教授の佐々木幹夫さんが「青森県海岸の最大クラスの津波」、岩手大学社会環境工学科・准教授の山本英和さんが「岩手県一関市における詳細震度分布と微動探査による浅部地盤構造との関係」、弘前大学理工学研究科・准教授の片岡俊一さんが「最近の地震で明らかになった青森県内の揺れやすい観測点」と題して研究発表を行った。
佐々木教授は研究発表の中で「津波が小さいクラスのものばかりが続くと人間は油断する。大きい津波が来たことやこれからも来ることを忘れずに風化を防ぐ努力をすることが大切」と強調した。
岩手大学地域防災研究センター・副センター長の越谷信さんが「災害の文化を後世に伝え育てること。地域固有の事情を地域で考えること。考えるだけではなく、きちんと災害に備え訓練をすること」と、フォーラムを締めくくった。
途中、東日本大震災が発生した14時46分には会場全体で1分間の黙とうをささげた。
会場の外ではパネル展示も行われた。このうち岩手大学地域防災研究センターは「地震防災かるた」を展示。製作に携わった山本英和准教授は「試作品を何部か児童館などでテストしてもらっている。ブラッシュアップしてから多くの子どもたちに配布して防災への意識を高めたい」と話す。