八戸の館鼻岸壁(八戸市新湊)で3月17日、300~400店の露店が軒を連ねる朝市が今シーズンのスタートを切った。
朝市は例年3月中旬から始まり、12月までの毎週日曜日に行われる。岸壁にズラリと並ぶ店の店頭には、八戸近海で捕れた魚介類や地元の新鮮な野菜はもちろん、中国やインドの料理などバラエティー豊かな品々が並ぶ。中には漁船の網を再利用したアカスリなど港町ならではの生活用品も。
毎週日曜日のイベントとして市民に定着している同朝市も近年では旅行商品に組み入れられるなど観光客の人気も高い。昨年10月には日本経済新聞の「食べ歩きが楽しい漁港ランキング」で2位になるなど、八戸の観光の魅力の一つとして定着しつつある。
今年は、開幕直前に朝市を運営する2つの団体のうちNPO法人「海の八戸NPO」が撤退。「協同組合湊日曜朝市会」に運営が一本化された。規模の縮小や混乱などを心配する声もあったがNPO側の出店者も湊日曜朝市会に多くが合流し今シーズンの開幕を迎えた。同朝市会の上村隆雄理事長は「野菜などを扱う出店者が今日は店を出していないので約240店で始まった。今日現在の加入者は約300人。これからさらに加入者が増えて、例年通りの規模になるのでは」と話し、「まずは無事開幕できてホッとしている。大勢のお客さんが来てくれて、にぎわいがうれしい」と安堵(あんど)の表情を見せる。
隣の南部町から出店した田中博道さんは「今年で出店は3年目。うちは切り花がメーンなので忙しさのピークはお盆ごろ。今年もなじみのお客さんの顔を見ることができてうれしい」と笑顔を見せる。
この日の八戸は天候に恵まれ、雨雪もなく順調なスタートを切った。早朝4時ごろから人出があり、閉店の10時ごろまで大勢の買い物客でにぎわった。