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八戸三社大祭の山車審査、最優秀賞に十一日町 「里見八犬伝」をテーマに

山車を前に笑顔を見せる十一日町龍組メンバー

山車を前に笑顔を見せる十一日町龍組メンバー

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 青森の夏を彩る祭り「八戸三社大祭」の山車審査で8月2日、十一日町龍組が最優秀賞に当たる青森県知事賞に輝いた。

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 山車審査は、祭りに参加する27山車組の制作技術や、山車の運行、おはやし演奏技術などの向上を目的に行っている。今年の審査は、山車組関係者27人、八戸三社大祭運営員会選出の8人で行った。

 十一日町の青森県知事賞受賞は、新型コロナウイルス感染拡大で山車制作や運行を中止した2019年以来5年ぶりとなる。

 今年の山車は約40人のメンバーが約4カ月かけて完成させた。題材は「南総里見八犬伝」。山車上段には伏姫(ふせひめ)と神犬八房(やつふさ)、八犬士(はっけんし)を配置。正面には放流閣(ほうりゅうかく)の屋根を斜めに配置した。化け猫との戦いの場面を勢いよく描き、青、赤、緑の原色を多く使うことを意識したという。山車制作責任者の石橋元平さんは「メンバーが毎晩遅くまで作業して完成させた山車が良い結果に結びついた」と笑顔を見せる。

 優秀賞(八戸市長賞)には八戸市職員互助会山車組が選ばれた。同山車組は今年、祭り参加50周年を祝う山車「五十周年祝(いわい) 鶴亀と寿三番叟」を制作。山車絵師の夏坂知良さんが原案を考え、5人のメンバーが制作した。祭りの見ものになっている「せり上がり」「展開」「バタンコ」などの仕掛けが閉じた状態でも山車を楽しんでもらおうと、山車側面に春を祝う場面を表現した8体の山車人形を配置した。山車制作責任者の来迎高志さんは「夏坂さんに指導してもらい、制作メンバーの技術の向上に取り組んできたことが評価された。仕掛けが閉じた状態でも楽しめるので、全ての方向から山車を眺めてほしい」と話す。

 審査員長の滝尻善英さんは「上位に入賞した山車は、見たこともない斬新さがあり、伝統を守りながら進化していることを感じさせる点が共通している。山車づくりの楽しさと、皆さんの努力の汗が、山車に表れていた」と話す。

 各賞の結果は次の通り。最優秀賞(青森県知事賞)=十一日町龍組(903点)。優秀賞(八戸市長賞)=八戸市職員互助会(877点)、同(八戸商工会議所会頭賞)=吹上山車組(871点)。秀作=下組町山車組(857点)、内丸親睦会(840点)、鍛冶町附祭若者連(809点)。敢闘賞=売市附祭山車組(787点)、糠塚附祭組(785点)。おはやし賞=内丸親睦会。運行賞=売市附祭山車組。伝統山車賞=下組町山車組、六日町附祭若者連、根城新組山車組。

 八戸三社大祭は8月4日まで。

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