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八戸市美術館「エンジョイ!アートファーム!!」の作品が完成 体験型展示も

ペーパークラフト作品の虫取りを楽しむ来館者

ペーパークラフト作品の虫取りを楽しむ来館者

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 アートプロジェクト「エンジョイ!アートファーム!!」の参加アーティストが制作した作品の展示が現在、八戸市美術館(八戸市番町)で行われている。

バナナをモチーフにした東方悠平さんの作品

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 同館が4月13日から取り組む同プロジェクトは、青森県内の美術館やアートセンター5館が連携して取り組む「AOMORI GOKANアートフェス2024」のメイン企画の一つ。八戸在住の5人のアーティストが、作品の制作から完成までを公開している。8月、版画家のしばやまいぬさん、立体作品を制作する東方悠平さん、写真家の蜂屋雄士さんの作品が順次完成し、展示を始めた。

 しばやまいぬさんは、発泡スチロールを使って作った森で虫取りが体験できる作品「くにゅぎの森3D」を展示。クヌギの木に見立てた造形物にアゲハチョウ、アリ、トンボなど11種類の虫をかたどったペーパークラフト作品を取り付けた。虫取りを体験した来館者は、架空の虫「ミノペラゲラ」をかたどったペーパークラフト作品に折り紙で作った服を着せ、持ち帰ることができる。家族で来館した4歳の井上晴弥君、2歳の結妃ちゃんきょうだいは作品を手に「虫を見つけたよ」「楽しい」などと口にしながら楽しんでいた。しばやまいぬさんは「連日多くの子どもたちが虫取りを楽しんでいる。虫を森に返す作業に追われているが、思っていた以上に反響がありうれしい」と笑顔を見せる。

 ベトナムに長期滞在した経験を持つ東方さんは「自由の像、不自由なバナナ」と題し、ベトナムで見つけたという野生のバナナをモチーフにした立体作品を複数展示。養生テープで作った「自由の像」は、大きな顔にバナナの形をした冠を載せた立体作品。東方さんは「作品には、日本では国内で働いている外国人の皆さんを『外国人労働者』と呼び、記号として捉えているのではないかというメッセージを込めた。顔に表情をつけないことで見る人に『なぜ表情がないのか』と疑問を感じたり、想像を巡らせたりしてもらう狙いもある。作品を見て考える機会になればうれしい」と話す。

 蜂屋さんはフィルムカメラで撮影した14組の家族の写真を展示。参加した家族に思い出の写真を持参してもらい、交流を深めなら撮影に取り組んだという。展示では、参加した家族が撮った写真と、蜂屋さんが撮った写真、ネガフィルムなどを並べて紹介する。

 8月24日には、しばやまいぬさん、東方さん、蜂屋さんのほか、同プロジェクトに参加したダンサーの磯島未来さん、画家の漆畑幸男さんが登壇するトークイベントを開く。開催時間は10時30分~12時30分。入場無料。申し込みは同館のウェブサイト、電話で受け付ける。学芸員の平井真里さんは「それぞれの作家が活動を振り返り、思い思いに語る時間になる」と話し、参加を呼びかける。

 開館時間は10時~19時。火曜休館。入館無料。9月1日まで。

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