今井さつきさんによるアートプロジェクト「人間ノリ巻き in 八戸 八戸の皆さん巻かさってください」が現在、八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)で開催されている。
同館が取り組むアーティスト・イン・レジデンス事業の一つ。のり巻きを模した大きなアート作品「人間ノリ巻き」を制作する様子を公開している。タイトルの「巻かさる」は、青森・岩手の南部弁で「巻かれた状態になる」の意。今井さんが八戸に滞在して知った「人」「こと」「もの」などの魅力を「具材」に「人間ノリ巻き」を作り、市民も「具材」となって一緒に「巻き込む」内容。
今井さんは昨年5月から複数回に分けて八戸を訪れ、プロジェクトを進めている。5月15日~7月2日の滞在では八戸市内のイベントや観光スポットなどを巡り、八戸の魅力を知ったという。10月27日~11月3日の滞在では、青森県南部地方の郷土料理「菊巻き」に着目。八戸市立図書館(糠塚)や食用菊農家を訪れて情報収集したほか、実際に菊を調理する場面を見学したり、中心街を通行する市民に聞き取りを行ったりし、八戸ならではの「人間菊巻き」を企画した。
3期目の滞在となる現在は、八戸ならではの「具材」の公開制作を行う。1月25日に行った「巻かさってみよう!人間ノリ巻き体験」では、大人の背丈ほどある大きな「ノリ巻き」や「菊巻き」の上に「具材役」の市民が横たわり、板前姿の今井さんに勢いよく巻かれて歓声を上げていた。市民が巻かれた姿を撮影した写真は「おしながき」として会場に展示するという。参加した市民は「最初は巻く勢いに驚いたが、完成した時の包み込まれる感じが温かく、菊巻きを食べてみたいと思った」と話していた。
24日には、郷土料理店「菜膳わたすげ」(八戸市吹上1)店主の山本康子さんを講師に招いた料理教室「菊巻きとフキの恵方巻き作り」が行われ、にぎわいを見せた。
今井さんは「巨大なのり巻きの形をした立体作品で、誰でも具材として参加できる。ぜひ『巻かさり』に来て」と呼びかける。
「巻かさってみよう!人間ノリ巻き体験」は今後、2月1日、2日に同館で、8日、9日はYSアリーナ八戸(売市)で行う。参加無料。開催時間はウェブサイトで案内する。