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八戸にドーナツ店「てんころばしドーナツ」 中居さん、幼少期の夢かなえる

来店を呼びかける店主の中居亜希子さん

来店を呼びかける店主の中居亜希子さん

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 ドーナツ店「てんころばしドーナツ」(八戸市新湊1)が11月29日、館鼻公園(湊町)近くにオープンする。

プレオープンにはシンガー・ソングライターの古屋敷裕大さんが訪れた

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 ドーナツをテイクアウトで販売する同店。八戸在住の中居亜希子さんが自宅のガレージを改修して出店した。店名の「てんころばし」は、湊町地区で雨の降る夜に人間を転ばせると伝わる妖怪の名前から取った。

 現在53歳の中居さんは、幼い頃から駄菓子屋を開くことが夢だったという。公共施設で来館者を案内する仕事に就いていたが、起業を決意し、2022年に退職。子どもから大人までさまざまな人に気軽に立ち寄ってもらえる店を作ろうと考え、ドーナツ店の出店を決めた。家族の協力を得て味や食感を記録しながら試作を繰り返し、6カ月から1年ほどかけてレシピを書きためてきたという。「元気があるうちにやりたいことをやろうと思った。協力してくれた家族はもうドーナツを見たくないと思う。おいしくても商品化しなかったドーナツもある。これからも研究を進め、新しいメニューを追加したい」と話す。

 きび砂糖、チョコレート、はちみつバターなどさまざまな味のドーナツを用意。中居さんのお薦めはオールドファッション(130円~160円)。「表面はザクザクとして、中は分厚いクッキーを思わせる食感」(中居さん)という。たまごドーナツ(130円)の生地には隠し味にみそを混ぜ、フレンチクルーラー(180円)は油の食感を抑えるためにペースト状にしたカボチャを加えた。一晩置いた生地を使うイーストドーナツ(90円~160円)は、弾力のある食感が楽しめるという。製造の過程で残った生地をボール状にして揚げた「おへそ」(30円)や、エスプレッソ(260円)、カフェラテ(300円)などのドリンクも用意する。

 中居さんは「手で持って食べられる気軽さがドーナツの魅力。小さな子どもが100円玉を握りしめてドーナツを買いに来たり、庭仕事を終えたお父さんや地域の漁師の皆さんが茶菓子を買いに来たりするような店にしたい。『お茶っこ』を飲みに来る感覚で立ち寄ってほしい」と呼びかける。

 プレオープン日の11月25日には、中居さんと親交が深いというシンガー・ソングライターの古屋敷裕大さんが同店を訪れ、ドーナツを試食。「中居さんの気取らない人柄がドーナツに出ている。中居さんには何度もライブに来てもらったので、恩返しをしていきたい」と話していた。

 営業時間は10時~18時。火曜・水曜・木曜定休。駐車場は店舗脇に2台分を用意する。

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