
八戸の玩具作家・高橋みのるさんが現在、旧南部領の昔話「南部昔コ」を題材にしたからくり時計の制作に取り組んでいる。
八戸では木材を使ったからくり作品を手がけることで知られる高橋さん。「木」「メカニズム」「遊び心」の3要素を組み合わせた「メカ木ズム」と称した独自の創作活動に取り組み、八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)に展示する2つのからくり時計が、2011(平成23)年の開館から14年にわたり市民に親しまれている。
新たな作品は、同館が開館15周年を迎えることに合わせて制作する昔話を語るからくり時計。同館の子ども向け施設「こどもはっち」に寄贈するという。八戸の文化や言葉を組み合わせようと、「南部昔コ」の昔話の中から「ねずみ相撲」を題材にした。語りは南部弁の伝承活動に取り組む八戸市公民館(内丸1)の柾谷伸夫館長が担当する。
現在、制作を支援してもらおうとクラウドファンディングにも取り組む。目標金額は200万円で、7月28日現在11万5,700円の支援が集まる。こどもはっちへの支援者の名前入り木札プレートの設置や、木工作品の進呈など、支援金額によって異なる返礼を用意した。
高橋さんは11月の完成を目指して制作に取り組む。「からくり時計の面白さが子どもたちが南部弁を聞くきっかけになれば」と話す。