
八戸出身のトランぺッター・類家心平さんのソロアルバム「メタモルフォーゼ」が8月28日、ジャズ専門レーベル「デイズ・オブ・ディライト」(東京都港区)から発売された。
今年の南郷サマージャズフェスティバルで演奏を披露する類家さん
10歳からトランペットを始めた類家さん。高校時代に聞いた世界的トランぺッター「マイルス・デイビス」の音源でジャズの世界を知った。卒業後は海上自衛隊の音楽隊を経て、2004(平成16)年からプロに転身。現在は自身のバンド「RS5pb(アール・エス・ファイブ・ピー・ビー)」を中心に活動する。
アルバムには即興演奏11曲を含む15曲を収録。約20年の活動の中でソロ演奏ばかりを収録したCDを発売するのは初めて。同レーベル代表で岡本太郎記念館(同)館長の平野暁臣さんが提案したという。ジャケットの表紙には岡本さんの版画作品「メタモルフォーゼ」をプリントし、アルバムにも同名のタイトルを付けた。ドイツ語で「変容」「変化」を意味する。類家さんは「平野さんがこの作品を選んだということは、今作の音源の雰囲気に合っているからではないか。初めてのソロ作品で、自分自身も変化したという点で、重なる部分がある」と話す。
6月に同記念館で行ったレコーディングでは、全編ノーカットの「一発録り」に挑んだ。「2、3分の短い即興演奏を繰り返す中で新しいアイディアが次々に生まれた。少し順番を入れ替えたが、録ったままをCDに収めている」と類家さん。カップミュートを使った丸みのある音色や、耳に刺さるような鋭い音、かすれた音、細かくリズムを刻む音など、トランペットのみでさまざまな表現に挑戦したという。呼吸音や、喉が苦しそうに鳴る音、マウスピースから漏れる息、音程をコントロールするピストンの金属音なども収録されている。
ソロ演奏について、類家さんは「その楽器が持ついろいろな側面や可能性、演奏者の極限の表現が見える。単音楽器であるトランペットは不向きだが、自分自身と対話を深めていき、自分でも思っていなかったようなことが起こる。新しい可能性を見つけることもある。いずれも面白い。時間のある時にゆっくり聞いてもらえれば」と話す。
価格は2,750円。
11月22日には、新アルバムの発売記念ライブを喫茶店「6かく珈琲(ろっかくコーヒー)」(八戸市小中野8)で開く。ベーシストの千葉広樹さんをゲストに迎える。19時開演。