
青森県立八戸東高校(八戸市類家)演劇部が現在、10月18日・19日に弘前文化センター(弘前市)で行われる第46回青森県高校総合文化祭演劇部門(県大会)の出場に向けて稽古に励んでいる。
同部は9月6日・7日、第65回三八・上北地区合同演劇発表会(地区大会)でミュージカル「The Dragon in Afgan アフガンの竜」を上演。8校の中から3校が選ばれる最優秀賞に輝き、県大会への切符を手にした。
物語の舞台はアフガニスタンの村。主人公のアデルと親友のマティンを中心に展開する。2人は村を豊かにするため、村人たちと協力して用水路作りor造りに取り組む。苦難に直面しながらも村人をまとめ上げ、「アフガンの竜」と呼ばれるようになる。福岡県朝倉市からタイムスリップしてきた謎の一団が江戸時代の技術で2人を助ける一幕も。アフガニスタンで井戸の掘削や用水路の建設に取り組んだ故・中村哲さんの活動から着想を得た。作中には、現地の稲作に先立って植えられたスイカがモチーフとして登場する場面もある。音楽は、八戸在住の作曲家・嵯峨明彦さんが担当した。
9月11日の稽古では、顧問の玉山緑教諭と部員が地区大会の反省点や審査員からの助言を参考に、ダンスの振り付けや歌い方、せりふの言い回しなどを入念に確認していた。
部長で2年の長岡真結香さんは「地区大会ではとにかく形にすることを目指していたので、県大会では見に来た人を笑顔にできるような作品にしたい」、アデル役で2年の鬼柳心結さんは「地区大会はせりふを間違えないことに集中しすぎて、アデルの心情の変化や物語の展開に合わせた演技が十分ではなかった。県大会までの期間でその点を補いたい」、中村さんの役を演じる2年の野沢堆斗さんは「中村さんは優しく、芯が強い人というイメージ。ステージの上では相手の目を見て話しかけることを強く意識している。県大会では、よりパワフルで感動的な作品になるよう頑張りたい」と話す。