青森県南部地方のサッカーチーム「ヴァンラーレ八戸」のユニホームが来年、創設20周年を記念したデザインに変更される。
新ユニホームの図案に隠された旧南郷村の村章(画像提供=ヴァンラーレ八戸)
南郷FCと八戸工業サッカークラブが統合し誕生した同チーム。2014(平成26)年にJFL、2019年にJ3に昇格した。2025シーズンは上位を維持。創設20周年を迎える来年、悲願のJ2の舞台に立つ。新ユニホームは2月~6月、Jリーグの開催時期の秋春制移行に合わせて行われる特別大会「明治安田J2・J3百年構想リーグ」で着用する。
新ユニホームには、八戸の地名にちなんで八角形の模様が並ぶ。模様の中には八戸市と十和田市、三沢市の3市と三戸郡・上北郡内の13町村を合わせ16ホームタウンの市町村章を配置した。創設20周年に当たり、現在の全てのホームタウンの要素をユニホームに刻むことにしたという。
同チームの下平賢吾社長によると、チーム発祥の地である旧南郷村の村章も「17番目のホームタウン」の要素としてデザインの中に忍ばせた。同チームは旧八戸市と旧南郷村が合併した翌年の2006(平成18)年、スポーツを通した地域コミュニティーの維持と、子どもたちのサッカー環境の向上を目的に創設された。当初は、旧南郷村が整備した南郷陸上競技場(南郷市野沢)をホームスタジアムとしていた。イタリア語を組み合わせたチーム名「ヴァンラーレ」は「南郷を発祥とする」の意。南郷地区は一部のサポーターから「聖地」と呼ばれている。
旧南郷村出身で、長年、トラのかぶり物を着用して同チームを支えるティガーマスクさんは「ヴァンラーレは村おこしのために作られた。八戸市と南郷村の合併の際、村内では南郷の地名が消えるのではとの声もあった。南郷の名を100年先も残せたら」と話す。