ロンドンオリンピック女子レスリング競技で、八戸出身の小原日登美(八戸市立白銀中学校、八戸工大一高)選手(48キロ級)と伊調馨(八戸市立長者中学校)選手(63キロ級)の2人が見事金メダルに輝いた。小原選手はオリンピック初めての金メダル、伊調選手はオリンピック3連覇。
伊調馨選手が金メダルを獲得した瞬間。この日2つ目の地元出身者の金メダルに会場のムードは最高潮になった。
地元では、市内中心部の八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)でパブリックビューイングが開催され、多くの市民が応援に駆け付けた。
予選が始まる8日21時には、すでに100人以上もの多くの市民が訪れ国旗やポンポン、ペットボトルなどを手に応援も「臨戦体制」に。会場の壁には必勝祈願の横断幕や千羽鶴などが多数かけられムードも高まった。
小原、伊調両選手が共に決勝へ進出し金、銀いずれかのメダルが確定するとホッと一息ムードになるとともに「ここからが本番」の声も出た。
日付をまたぎ9日午前3時過ぎに、まず48キロ級の小原選手の決勝の試合が始まり、市民は一挙手一投足に歓声を送り、小原選手が第1ピリオドを先制される展開ながらも見事に第2、3ピリオドを制し、アゼルバイジャンのマリア・スタドニク選手を下すと大歓声とともに万歳三唱が始まった。
同4時過ぎには、63キロ級の伊調選手の試合が始まり、中国の景瑞雪と対戦。小原選手が金メダルを獲得した直後とあって会場の熱気も最高潮に。第1、2ピリオドともに1ポイントも許さぬ展開。終了10秒前からは勝利を確信した市民からカウントダウンも始まった。勝利が決まった瞬間には大歓声とともに報道陣のフラッシュも一斉に光り、携帯電話を片手に会場を飛び出す人の姿も見られた。
その後、ステージ上でくす玉が割れ、「ファイト!」の垂れ幕が「おめでとう!」に変わり、関係者から促され、最前列で観戦していた小林眞八戸市長が音頭を取りあらためて万歳三唱が行われ、祝賀ムード一色に染まった。
地元出身選手が一気に2つも金メダルを獲得する偉業に、多くの報道陣に囲まれた同市長は「同じ日に2つも八戸出身の選手が金メダルを取るというのは、とても喜ばしく誇りに思う」とし、「(栄誉賞的なものも)当然検討する。今日明日にもよい報告ができると思う」とも。
観戦に訪れていた同市広報統計課の職員は、全ての事例を調べたわけではないと前置きしたうえで、「同じ日に地元出身者が金メダルを2つは異例のこと。全国的も非常に珍しいのでは。とにかくおめでたいこと」と満面の笑顔で話していた。