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八戸でヨーロッパ出身女性アーティスト2人の写真展 歴史的建造物の酒蔵会場に

写真展の様子

写真展の様子

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 ヨーロッパ出身の2人のアーティストによる写真展「日本に向けられたヨーロッパ人の眼」が7月20日から、八戸酒造(八戸市湊町)の酒蔵で開かれている。

トークイベントの様子

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 同展は、「ヨーロピアン・アイズ・オン・ジャパン」が主催。同団体では、1999年からヨーロッパ各国の気鋭の写真家を日本に招聘(しょうへい)し、これまで40道県で66人の写真家が日本の姿を切り取ってきた。

 20回目の開催となった今回は、青森県を舞台に実施。会場にはマルタ出身のアレクサンドラ・パーチさんとオランダ出身のアリス・ヴィーリンガさんが、それぞれの視点から捉えた青森の姿を捉えた写真が並ぶ。

 ヴィーリンガさんの作品は、2017(平成29)年に「青森ねぶたまつり」を題材にした長さ4メートルほどの巨大な作品3点が並ぶ。ヴィーリンガさんは、青森県についてリサーチをする中で青森ねぶたを知り、魅了されたという。棟方志功記念美術館に展示されているねぶたを題材とした絵巻から着想を得て、水彩画と写真をコンピューターで重ね合わせた作品を制作。水彩画の淡い背景に、青森ねぶたの山車や人々、恐山、花火などを融合させ、独特の作品を生み出した。作品には2000枚もの写真や水彩画を重ね合わせて完成させた。

 パーチさんの作品も同じ2017年に八戸市で撮影した作品の約20点。地中海に浮かぶマルタ出身のパーチさんは、自らも島国の出身であることから「境界」に興味を持ち、八戸市に滞在することを決めた。伝統芸能の「鮫神楽」や漁業をなりわいとする人々の生活に交わりながら撮影した写真には、捕れたばかりのウニや古びたかき氷器、女装する神楽の男性など、現地の人々は目に留とめない何気ない風景や物が切り取られている。初めて訪れた日本で、自身で車を運転しながら撮影を続けた。滞在時は、湊町八戸を想起させる海岸線や、実際に神楽を待っている人などの姿も撮影したが、その奥にある生活ぶりなどが捉えられた作品を中心に選んだという。

 アレクサンドラ・パーチさんは「いつもはギャラリーで展示することが多いが、酒蔵で展示することはとても面白いと感じた。車を借りていろいろなところに出掛けた。初めての来日で訪れた場所が八戸だった。人々が皆歓迎してくれたので、撮影も順調に進んだ。八戸に来て特別な人々に会えたことをうれしく思う。八戸やマルタ、世界のどこかでまた会えることを楽しみにしている」と話す。

 開場時間は10時~17時。入場無料。8月4日まで。会場内で図録(2,500円)も販売する。

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