起業家の応援を通して地域活性化を目指す交流イベント「地域クラウド交流会」が10月24日、八戸まちなか広場「マチニワ」(八戸市三日町)で開かれた。
イベントは、ソフトウエア開発会社「サイボウズ」が全国で展開し、青森県内ではみちのく銀行が2018(平成30)年から主催団体として運営。これまで青森市で2回開催している。起業を目指す登壇者が制限時間3分間の中で取り組みを発表し、交流会参加者による投票で最多の票を得た登壇者は起業資金の提供などの支援が受けられる。
八戸市で初めて開催された今回は、起業や地域活性化に関心のある約190人が参加。起業を目指す5人の登壇者が参加者を前に事業を紹介。最多得票には五戸町で古民家を活用した民泊事業を披露した高山沙織さんが選ばれた。
高山さんは、田舎暮らしの体験を提供しようと亡くなった祖母の家を再利用した民泊事業プランを発表。数年前に若年性更年期障害になり多くの人に救われた経験から、生きづらさを感じる人々に安らぎを感じてほしいと事業を考えるようになったという。高山さんには、参加費の一部から賞金と、副賞にはデーリー東北新聞社に無料で広告を掲載できる権利が贈られた。
会場内には、青森県内で活動するタレントのうっちゃんさんや中島美華さん、八戸市のゆるキャラ「いかずきんズ」や八戸商工会議所の「うみねこハッピー」らも駆け付け、参加者190人と共にラジオ体操を実施。参加者が持ち寄った自己紹介や名刺などを掲載するコーナーも設置され、参加者たちは和気あいあいとした空気のなかで交流を深めていた。
イベントに先立って行われた勉強会では、三沢市でごぼう茶を製造販売するグロウスの須藤勝利社長が講演。ごぼう茶の開発に至った経緯や、継続的にブランディングを行っていくことの重要性について語った。
同行地域創生部創生支援室主任の久保麻衣子さんは「八戸市で創業者にPRの場を提供し、創業機運が高まることを狙って企画した。八戸市は創業者が多く盛り上がっている町。多くの人に参加してもらえてうれしい。今後はより多くの創業者と地域の接点を提供し、新しい何かが生まれたら幸いに思う」、高山さんは「好意的に受け止めてくれた人が多く、ありがたかった。こういう環境を求めている人が多いということを改めて感じた。今後は、より一層頑張っていきたい」とそれぞれ話す。
同イベントは今後、弘前市でも開催する予定。開催日など詳細は未定。