知的書評合戦「第6回 ビブリオバトルinハチノヘ2019」の決勝戦が11月2日、デーリー東北メディアホール(八戸市城下)で開かれた。
イベントは地元のデーリー東北新聞社が、八戸市が掲げる「本のまち八戸」に賛同し、活字媒体として活字文化の振興を図るために2014(平成26)年から開催。八戸学院大学(美保野)も、若者の活字離れの一助になればと共同開催している。
決勝戦は予選を勝ち抜いた高校生3人と、大学生1人、一般A・Bから2人の計6人で争った。決勝戦には、高校生の部「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(フィリップ・K・ディック)=大矢美咲さん、「スイッチを押すとき」(山田悠介著)=天間凛鳳(りおん)さん、「NieR:Automata 長イ話」(映島巡・ヨコオタロウ共著)=大川原菜摘さん、大学生の部「舟を編む」(三浦しおん著)=高橋大樹さん、一般の部「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」(丸山正樹著)=江尻真太郎さん、「残念な『オス』という生き物」(藤田絋一郎著)=手嶋久敦(てしまひさのぶ)さんが出場。
観戦者の投票の結果、一般の部Bから決勝に進んだ手嶋久敦さんが推薦した「残念な『オス』という生き物」(藤田絋一郎著)がチャンプ本に選ばれた。準チャンプ本には、天間凛鳳さんが推した「スイッチを押すとき」が選出された。
決勝の前には特別ゲスト、フードライターの白央篤司さんの講演もあった。主催者のデーリー東北企画事業部の是川育孝(やすたか)さんは「年々間違いなく発表者のレベルが上がってきている。全世代対決の決勝戦、まったく甲乙つけがたかった。年々盛り上がりを増してきているので、来年に向けてまた十分な準備をしていきたい」と話す。
チャンプ本を獲得した手嶋さんは「まさかです、本当に。皆さんの本に比べると、少しフザけた感じの本なので、『自分はまあないだろう』と思っていた。そういう意味で予選よりは緊張しないで発表できた。来年も生徒達(八戸東高)と一緒にエントリーしたいし、生徒と一緒に決勝でバトルできたらいい」と話す。